とある魔術の禁書目録 考察

本記事の大前提として、私が今読破しているのは新約14巻までであり、私の考察のいずれかがまったくの的外れだと既に作中で証明されている可能性があるものだということを理解していただきたい。


こんな状態で考察すること自体ナンセンスと言う人もいるかも(私が既にそう思っている)しれないが、なんとなく書きたくなったので書くことにした。


私が現在主に考察しているのは、『上条当麻の特性について』である。


エイワス曰く、一口にヒーローと言っても様々な分類があるとのことで、


上条当麻ならば『誰に教えられなくても、自身の内から湧く感情に従って真っ直ぐに進もうとする者』、


一方通行ならば『過去に大きな過ちを犯し、その罪に苦悩しながらも正しい道を歩もうとする者』、


浜面仕上ならば『誰にも選ばれず、資質らしいものを何一つ持っていなくても、たった一人の大切な者のためにヒーローになれる者』


それぞれの主人公たちは彼女(?)にそう評されている。(旧約19巻参照)


この人物評からも分かるように最も『主人公らしい』のが本作品の正規主人公・上条当麻であり、同時に彼という存在は作品内で最も多くの謎を内包している(と思っている)。


彼の能力である幻想殺しは右手で触れた異能を無効化するというもので、身も蓋もない言い方だが設定的にはジャイアントキリングがしやすく、異能力ものの作品群の中ではかなりわかりやすい部類であった。


しかし、巻数が進むにつれて上条当麻の複雑な特異性は浮き出てくる。

軽度のもので言えば旧20巻で一方通行が考察していたり、1巻以前からの関係である御坂美琴とのじゃれあいでも使っていたとされる『前兆の感知』や、新約9巻で魔神となったオティヌスによって1億以上の世界を創造されたり1万回以上殺されても諦めなかったその不屈の精神性などがそれにあたる。


その特異性の中でもより深い、右手や彼という存在に関わる特異性